BALLON JOURNAL VOL.3

BALLON JOURNAL VOL.3

そっと寄りそうしあわせ。
猫のこと。

食肉目ネコ科ネコ属。それはネコ。

ネコが人間とともに暮らす歴史は長く、約5000年前の古代エジプトの頃からというのが定説。古代エジプトのファラオもイスラム教のムハンマドも、夏目漱石もリンカーン大統領もカール・ラガーフェルドもチャーチル首相も愛猫家。ネコの愛らしさは時空を超え、国境を超え、男女も宗教も全てを超越した可愛い存在、それがネコ。 BALLONで最初に採用した動物モチーフはネコでした。 実はBALLONチームは全員ネコ好き。
心の赴くままにネコモチーフがどんどん増えていって、現在のところ6商品。
主にモデルとなっているのは、架空のネコや他人のネコではなく、実際にアロマオーナメントを制作している技術チーフの愛猫、その名は「大福」。 なぜ和菓子の名前? しかも4文字でちょっと長くて読みづらい? そんなところどころ疑問も残るネーミングの、シャムMIXの雄猫(10才)のお話です。

 

大福との運命の出会い

大福と飼い主との出会いは遡ること10年前。

まだ大学生だった彼女がある日朝起きると一人暮らしのアパートのベランダに子猫が4匹! 時々ご飯をあげていた野良の母ネコが子猫を産み落としてそのまま行方不明になってしまった模様。ネコ好きだった彼女は迷わず全子猫を保護。それが大福との出会いです。

飼い主が子猫たちに自身が大好きな和菓子の名前をつけました。 きなこ、おまんじゅう(呼びづらいことこの上ない!)、みたらし、そして真っ白な子猫、大福。

実はこの子猫時代、一番愛嬌がなくて正直あまり可愛くない風貌の子が大福。 他の可愛げにあふれた子達はどんどん貰い手がついて里子にいき・・・ついに残ってしまったのが大福。

当時の写真を見ても・・・うん、確かに。



大福との暮らし

ちょっぴり不細工だった大福でしたが、シャムの血統を感じさせる気品あふれるブルーの目はそのままにぐっと気品と可愛げあふれる立派なネコに育ちました。最初真っ白だった毛色は飼い主がその模様を「笹かま」と表現する通り、小田原名物笹かまによく似た風合いで少しずつ茶色に。

不遜な顔つきをしながらも彼女の趣味でかぶり物の数々につきあわされたり、生活の中のちょっとしたタイミングで垣間見える様々な表情や愛くるしいポーズで毎日を楽しませてくれる、今やすっかり飼い主のパートナー。

あまり自己アピールが強いタイプとは言えない彼女が、時々アトリエで少し恥ずかしげに披露してくれる大福の写真とエピソードに、BALLONスタッフが大福のとりこになるのに時間はかかりませんでした。

 

 

 

最初に作ったのはすわったポーズの大福。実は原型を作ったのは飼い主本人。  

飼い主がBALLONに入ったのは8年前。2012年の初夏のこと。
カメラと粘土細工が得意と履歴書に書いてしまった彼女にある日手渡されたのは紙粘土。

「ネコ、作って。」

未開封の紙粘土を意味もわからず受け取ってしまったその日から約1ヶ月半、試行錯誤を重ね、彼女が毎日大福と向き合って創り上げたのが座ったポーズのネコのアロマオーナメントの原型。今となってはBALLONの定番人気アイテムともなったネコモチーフ第1号の誕生です。

プロの原型師ではない、ただの愛猫家である彼女に原型制作を依頼した理由は愛猫家ならではのプロダクトデザインをしたいから、という意図は彼女本人には全く知らされることはなく、ただひたすら自身の愛猫と向き合い、それはもうひたむきに大福の可愛さをひたすら表現したのでした。

 

 

例えば後ろ姿の尻尾の角度。 大福のしっぽはちょっぴり曲がっている特徴が。

何か興味のある何かを見つけた時にプンと動く尻尾の先っぽ。 窓の外に何かを見つけたのでしょうか。

 

表情豊かな大福の表情、3つをセレクト。

そしてその1年後。
またもや飼い主に出されたお題。
「かわいい大福の表情3つ、選んで。」

そして決まった3つの大福の顔。

 

 

愛猫家ならわかる、愛猫家だからこそ知っている。
ネコ好きのネコ好きによる、ネコ好きのための顔。

引き出しをあけた時に現れる小さな大福。
そんなコンセプトでできあがったドロワー用アロマオーナメントのネコプレート。

小さいけれど大きな福を呼びますように。そんな気持ちを込めて。

 



大福とともに。世界を旅する

BALLONの最初の海外本格デビューとなった2017年のパリの国際展示会。
飼い主もデモンストレーション担当として出張随行スタッフのメンバーでした。

うまれて初めて行くフランス。勝手も言葉もわからない中で制作デモンストレーションするモチーフに選ばれたのは彼女が原型から愛を込めて作り続けてきた座りモチーフの大福。

日々大勢のあらゆる国々のバイヤーに囲まれ、時々近所のブランドのおじさまにからかわれながら、大福の可愛さの称賛の言葉を様々な言語で聞き、さぞかし当時は不思議な気持ちで大福を仕上げていたのでは・・・と推察します。

彼女がパリでデモンストレーションをしたあの日からもう3年。今や10カ国以上の国に大福を送り出しました。彼女は今やBALLONの技術チーフになり、今日も東京のアトリエでせっせと大福のアロマオーナメントを作っています。

10才になったネコの大福と暮らしながら。

 



Big Lucky Cat

海外のお客様に「実はこのネコはスタッフの飼い猫がモチーフなの。」と説明すると、決まって「なんていう名前なの?」という質問を受けます。

外国の方に「大福」という和菓子の説明をしてもなかなか伝わりづらいかも、という理由もないわけではないのですが、BALLONではこう答えることになっています。

「Daifuku. It means ‘Big Lucky’」

BALLONにとっても、そして手に取っていただいたお客様にも大いなる幸運を運んでくれる大福へ。愛を込めて。

ご紹介した商品

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